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リオオリンピックに思うGrit(やり抜く力)と諦める力

2016/11/23

勝てないのは努力が足りないからじゃない

元プロ陸上選手で、世界陸上にてオリンピック&世界選手権を通じて日本人初の短距離種目の銅メダルを獲得した、為末大さんの言葉です。オリンピックと世界選手権に何度も出場し、メダルまで獲得した人が言うと言葉に重みがありますね。

為末さんは以前ツイッターで「やればできると言うがそれは成功者の言い分であり、例えばアスリートとして成功するためにはアスリート向きの体で生まれたかどうかが99%重要なことだ」とコメントして、ネットで大炎上したことがあります。

でもこれって、本質的に正しいと思うんです。

もちろん努力は大切です。でも、日本人は高校野球やオリンピックでもそうですが、長年努力をした結果として、オリンピックなどの大舞台でメダルを取ったというストーリーが大好きですよね?!もともとその選手が持っていた才能についてTVなどで語られることは少ない気がします。

ここら辺が、アメリカ人の考えとは違うな~と思います。
*どちらの考えが良い・悪いではなく、ただ単純に違うというだけですよ。

アメリカの学校にはギフテッドプログラム(Gifted Program)というのが小学校からあり、頭の良い子・勉強の出来る子がIQテストや州の統一テストで選抜されて、幼い頃から特別教育を受けることが出来ます。

アメリカ人の親達は、ギフテッド=神から授けられた才能という認識です。
つまり、努力でどうこうできるものではないとの認識の人が大半。

算数の授業なども飛び級は結構普通に見かけます。

スポーツも同じで、出来る子はどんどん上のレベルに引き上げていくことが日本よりも多いです。ここでも努力よりも才能が重視される傾向があります。

ざっくり分けると、アメリカ人は才能重視で日本人は努力重視の文化が浸透しています。
どちらにも良い点・悪い点がありますが、その話はまた今度。

ギフテッドに関して詳しく知りたい方は「才能の見つけ方 天才の育て方」に詳しく書いてあるので、読んでみてください。この本が一番ギフテッドに関して詳しく書いてある日本語の本だと思います。

 

諦める力

「人生の前半は努力すれば夢は叶うでいいと思う。でもどこかのタイミングでそれを客観視しないと人生が辛い。」私がアメリカに来て数年後、仕事や今後の人生について悩んでいた時に読んだ、為末大さんの“諦める力“という本に書いてあった言葉です。

為末さんいわく、

「今の人生」の横に走っている「別の人生」がある。もし懸命に走っている道で成功する確率がほとんどないとわかったとしても、その横に走っている人生に移ることができるのだということを理解しておくべきだと思う。

さらに言えば、今自分が走っている人生とその横に走っているいくつかの人生は、同じゴールにつながる別のルートである可能性もある。最短ルートもあれば、少し回り道かもしれないが、確実にゴールに到達するルートだってある。
出典: 諦める力 為末大

この言葉を読んだ時に、心が軽くなり視界が開けた気がしたのを今でも覚えています。
人生というレースにはいくつものレーン(道)があることに気づくことができた瞬間でした。

あのノーベル生理学・医学賞を受賞した、京都大学の山中伸弥教授も、外科医時代は「おまえは山中ではなく、"じゃまなか”だ。手術は手伝わなくてよい」と言われていたわけですから…

彼も外科医には向かないと医者を諦めて研究の道に進んだからこそ、IPS細胞で功績をあげることができたんですから。山中伸弥さんはルートは変更したけど、患者さんを助ける目的は十二分に達成していますよね?!

 

為末さんはさらに

「成功をある程度成功率が高いものにおくのであれば、努力すれば夢は叶うと思う。でも五輪選手になるとか、かなり少ない席の話であれば誰でもできるわけではなくて、才能と、環境がまず重要だと思う。そのスポーツをやる環境に生まれた事が、努力よりも先にくる。」と言っています。
出典: 諦める力 為末大

たとえば、東京大学に合格するとか弁護士になるなどの目標であればであれば、毎年2,000~3,000人が合格しているので、こつこつと何年間も毎日10時間以上努力できる人なら、ある程度の確率で成功しますよね。公認会計士試験なんかもこの範疇ですね。もちろん、狭き門であることには変わりありませんが…

でも、オリンピック選手になってメダルを争うレベルになると、努力だけではどうにも出来ない厚い壁があるように感じられます。

それと同じで仕事や人生に置いても、努力だけではどうにも出来ないたくさんの壁が存在しているのが現実です。人により壁の種類や高さもそれぞれです。オリンピックと違うのは傍目にはそれが非常に分かりづらいので、成功する確立が低くても、なかなか諦める踏ん切りがつかないことじゃないでしょうか?!

「努力すれば夢は叶う→叶っていない現在の自分→原因は自分の努力不足。努力原理主義を抜けられなかった人は、こんな自分を許せなくて何かを呪って生きていく
出典: 諦める力 為末大

数年前の自分はまさしくこの状態に陥っていました。周りのサポートで脱出することが出来ましたけど・・・今は、自分の子供や友達がこういった状態にならないように助けてあげたいと願っています。

 

為末さんいわく

多くの人は、手段を諦めることが諦めだと思っている。だが、目的さえ諦めなければ、手段は変えてもいいのではないだろうか。(中略)陸上界で最も「勝ちにくい」100メートルを諦めて、僕にとって「勝ちやすい」400メートルハードルにフィールドを変えたのは、僕が最も執着する勝利という目的を達成するために「必要だった」と納得できたからだ。

「勉強でもスポーツでも趣味でも何でもかまわないから、没頭し、必死に努力するという体験をしたほうがいい。そうすれば「がんばってもうまくいかない」「あまりがんばらなくてもけっこういける」という感覚が得られるはずである。これが大事なのだ。長期的には「あまりがんばらなくてもなんとなくできてしまう」ことのほうに努力を振り向けた方が成長できる。」
出典: 諦める力 為末大

林修さんもよく言っていますが、結局はこれが大事なんでしょうね。
若いうちに努力をたくさんし、自分の勝てる場所・分野を見つけ出すことが大事なんじゃないでしょうか。

ある程度成功率が高いものに向かって努力する=正しい場所で正しいやり方で努力する

オリンピックを見ながら、家族で話したいテーマです。
子どもの勝てる場所・分野を一緒に探すのも、親の仕事だと思うので。

前回の記事で才能と努力に関しても書いたので、ぜひ読んでくださいね。
前回の記事はこちら↓
リオオリンピックに思う成功に必要なのは才能か努力か?

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